Thaichess makruk ディンデンのマックルック屋台 | 世界の伝統ゲーム紹介

■ディンデンのマックルック屋台■
	クロントーイのチャラウー食堂を後にして向かったのが、バンコク中心部に程近いディンデンにあるマックルック屋台。ここでは幅広い年齢層のマックルック愛好者達が集まり、常に賑わっているとのこと。実際に訪れてみると、タイ料理を売っている屋台フロアの中に、マックルック用のテーブルが１０卓以上並んでおり、どこも満席状態でした。

■ Thaichess Makruk in Bangkok (Din daeng) ■


	和やかな雰囲気の中でマックルックを打つ			打つ方も見る方も真剣そのもの。確かこの人達は、お金を賭けていたような気が…			若者も年輩の方も、お互いいい勝負です


	先程、観戦していた人どうしが対局していました			終局間近なので、お互い真剣です			一勝負終わり、新たに駒を配置

　満席の屋台で順番待ちを兼ねて観戦していると、ちょうど目の前の座席が空いたので、運転手をしてくれた商社社員のナットさんと対戦することに。ナットさんは海軍出身の方で、田舎では（どこだか忘れてしまいましたが）マックルックを随分とやっていたとのこと。駒を並べていざ対戦となりましたが、ナットさんは「最初に、このメットの駒を前に２歩進めてから始めるんですよ」と言ってビアを一歩前に出し、その後ろにあるメットを２歩前に進めました。そのようなルールは見たこともなかったので、戸惑っていると、横で見ていた人が「それは田舎スタイルだ」と言って、「この人に色々と教えてもらいなさい」と、一人の老人を紹介してくれました。色々と恩のあるナットさんと対戦したかったのですが、ナットさんも「どうぞ、あの人に」と勧めるので、パイサンさんという方と急遽対戦することになりました。

■ Thaichess Makruk Master Paisan ■


	目の前の席が空きました			ナットさんと対局開始と思いきや…			パイさん登場

　実際に対戦してみて判ったのですが、このパイさんという方はとても強く、私の駒を片っ端から取って、自分の駒をどんどんとこちらの陣地に進めてきます。そしてルゥック（王手）を連発し、私はあっという間に詰められてしまいました。まさにあっという間の出来事で、今まで対局した中で、最短の敗北でした。マックルックは駒の力が弱く、普通は詰めるのに時間がかかるものなのですが、このパイさんの手には無駄なものが一切無く、すべて理にかなっていたような気がします。終局後、色々と話を伺うと、このパイさんは、なんとマックルックの国内大会で八位に入賞したことのあるプレイヤーで、ここの屋台の有名な常連なのだそうです。今も大会には出ているようで、普段は小学校でマックルックを子供達に教えているそうです。


	熱心に指導するパイさん			詰めの手を指導してもらいました。			パイさんの次の詰め問題

その後、パイさんがマックルックの詰め問題を次々と出して、色々と詰め方を指導してくれました。