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世界遊戯紀行 ■ |
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葡京娯楽場の牌九 ■ |
牌九(パイガウ)で使用される天九牌(ティンガウパイ)の電飾 |
取り敢えず、マカオでは、おそらく殆どすべてのカジノに足を踏み入れ、殆どのゲームを遊んだと思う。 |
■ 葡京牌九 ■ |
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この牌九が行われている葡京娯楽場は、隣にある新葡京(グランドリスボア)の豪華で明るく綺麗なイメージとは全く異なり、見た目にもグロテスクな色彩
の電飾に彩られ、昔のSF映画で近未来の風俗街にある悪の巣窟として登場しそうな外観をしている。 |
葡京娯楽場はカジノだけではなくホテルも兼ねている |
怪しい色彩に彩られる深夜の葡京娯楽場 |
ある程度、日本で牌九のルールを把握していた私は、この葡京の牌九に直ぐさま参加してみたかったのだが、ゲームの流れと正確な規定を熟知しておかなければ賭けても痛い目にあうだけだと思い、人垣の中でメモを取りながら、注意深くプレイの流れを見守ることにした。 |
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深夜の葡萄京娯楽場(カジノ・リスボア)は、一際派手な電飾で人目を引いている |
■ 葡京牌九玩法 ■ |
私が葡京で見た牌九のルールであるが、まず庄(親)を決定することから始め、庄が名乗り出たら、ディーラーは、庄の前に「地庄」と記された表札の倍ぐらいの分厚いプラスチックのマーカーを置き、そこから右周りに1〜7の番号が記された札を順に並べる。 |
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マカオ公式の牌九リーフレット。牌九のルール詳細が記されている。 |
最初に取り出す牌の位置を庄が伝えたら、ディーラーは、その位
置にある牌を、牌の半分程前にずらしておく。 |
■ 天九牌 ■ |
天九牌は1セットが三十二枚で、文牌と武牌という2種の牌で構成される |
■ 葡京の牌九 ■ |
牌九に出会った初日は、人数の多さと玄人筋の熱気に押され、とても賭けることは出来なかった。 |
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葡京の隣に存在する新葡京。葡京とは違い豪華で綺麗 |
暗くなると毒々しい電飾が点る葡京 |
翌日、昼前にマカオのイミグレーションを通
り、中国の珠海を観光し、宿に戻って英気を養った後、再び夜の葡京を訪れた。 |
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何度か庄が交代したある時、私は意を決して人垣の隙間を掻き分け、牌九のテーブル前に身を置くことが出来た。そして目の前の番号札に、最後の手持ちチップを置き、ようやく牌九をプレイすることが出来た。 牌が配られ、手を分ける時には頭の中に入れていたランクが吹っ飛んでしまい、とにかく九に近い組み合わせを作ろうと無我夢中であった。 手は八か七か六か何か忘れたが、片方負けて片方で勝ち、取り敢えず引き分けに終わった。 最後のチップを失うことを免れ、初めての牌九勝負による緊張感から解放された私は、安堵の気持ちから勝負を続行せず、逃げるように卓を後にした。 手持ちのチップを換金し、葡京を出た時、牌九という熱い温度の中で、ただ一度だけでも勝負が出来たということに興奮し、深い充実感を覚えていた。 |
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新葡京はさらにホテルを増設中だ |