大老二(基本ルール)

大老二(基本ルール)

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大老二(dà lǎo èr・ダーラオアール)は、台湾をはじめとする中華圏で盛んなトランプゲームです。
大老二は、台湾での呼び名で、大陸や港澳などでは「鋤大弟」や「鋤大D」などと呼ばれています。
遊び方は、大貧民にポーカー役を採用したようなもので、手札を全て出し切った人が勝利となります。
各地で細かいルールが異なりますが、台湾で採用されている基本的なルールを紹介します。

■大老二の遊び方(基本ルール)

◆概要
出された場札に対して、より強い札を手から出していき、場に一番強い札を出した人が、今まで出された札を全て流し、新たに札を打ち出す権利を得る。
手札を出せない時や、出したくない場合は、パスを宣言する。
一度パスをしたら、次に打ち出しの札が出されるまでは、札を出すことができない。
手順を繰り返し、手札を全て捨てて上がった人が勝利者となる。
手順は、大富豪(大貧民)と大体共通している。

●参加人数…4人
●使用枚数…ジョーカーを抜いたトランプ52枚
●手札…各自13枚
●札の強弱…3<4<5<6<7<8<9<10<J<Q<K<A<2
●スートの強弱…スペード>ハート>ダイヤ>クラブ

□手順
●開始…クラブの3を持っている人から開始する(最初は必ず♣3を出さなければならない。出し方は、1~2枚出しでも、5枚の役の出し方でも構わない)
●進行方向…反時計回り

□札の出し方
◆1~2枚出し
●煉丹(liàn dān・リェンダン)……1枚出し
●一対(yī duì・イードイ)……同数の2枚出し・ワンペア

1~2枚出しでは、出された同枚数のより強い札を出せば勝つ事ができる。
同じ数字の札でも、スートの強さが上回っていれば勝つ事ができる。
例えば、♣4を出されたら、♦4や♥4、♠4を出せば勝てる。
また、相手の同数の一対(ワンペア)に対しては、一番強いスートの札を1枚持っていれば勝つ事ができる。
例えば、相手の♦3♥3に対し、♣3♠3で勝つ事ができる。

◆5枚のポーカー役
●順子(shùn zi・シュンズ)……連続した数字・ポーカーのストレート
●同花(tóng huā・トンホワ)……同じスート・ポーカーのフラッシュ
●葫蘆(hú lú・フールー)……一対と三條の組合せ・ポーカーのフルハウス
●鉄支(tiĕ zhī・ティエズ)……同数4枚と好きな数字1枚・フォーカード+1
●同花順(tóng huā shùn・トンホワシュン)……同じスートの順・ストレートフラッシュ

5枚出しのポーカー役を出されたら、同じ役のより強い組合せを出せば勝つ事ができる。
ただし、鉄支と同花順は、順子・同花・葫蘆の組合せに勝つ事ができる。
同花順は最強の役で、鉄支にも勝つ事ができる。

■順子(ストレート)の強さ
順子は、「2・3・4・5・6」が最強で、続いて「10・J・Q・K・A」>「9・10・J・Q・K」が強く、「A・2・3・4・5」が最弱となっている。
例えば「3・4・5・6・7」を出された時、「4・5・6・7・8」を出せば勝つことができる。
相手の出した「3・4・5・6・7」に対し、同数の「3・4・5・6・7」を出す場合は、相手の出した一番強い7のスートに対して、自分の一番強い7のスートが上回っていれば、勝つことができる。
具体的にいうと、相手の「♥3・♠4・♦5・♥6・♥7」に対し、「♣3・♥4・♣5・♣6・♠7」を出せば、勝つ事ができる。
つまり、同数のストレートでは、一番強い数札のスートが上回っていれば、他のスートが全て下回っていても勝つ事ができる。
※「J・Q・K・A・2」という出し方は出来ない

■同花(フラッシュ)の強さ
同花(フラッシュ)の場合は、♣<♦<♥<♠の強さで勝つ事ができる。
ただし、同花では相手の最強カードの数より強い数字のカードが含まれていないと、スートを上回っただけでは勝つ事ができない。
例えば、相手の「♣ 10・♣J・♣Q・♣K・♣A」に対し、「♥3・♥4・♥5・♥6・♥K」を出しても、ハートで一番強い「♥K」が、相手の最強「♣A」を上回っていないので、勝つ事ができない。
この場合で勝つには、「♥A」か「♥2」が含まれていないと勝つ事が出来ない。

■葫蘆(フルハウス)の強さ
例えば、「55・777」に対して、「44・888」というように、3枚組の部分が上回っていると勝つ事ができる。

□勝利条件と得点計算
●勝利条件…手札を全て出して上がった人のみが勝利者となり、残りは敗者となる
●得点計算…手札に残った枚数が失点となる

敗者となった残り3人は、残った手札ぶんの失点を勝者に支払う。
例えば、手札に2枚残していれば2失点、5枚残していれば5失点となる。

◆失点の罰則
● 2を手に残していたら2倍負け。2枚残しで4倍、3枚で6倍、4枚で8倍負け
● 鉄支または同花順を手に残していたら2倍負け
● 10枚以上手に残していたら2倍負け

□特別勝利役
●最後に2の札を出して上がると、勝利点が2倍となる
●最後に鉄支、または同花順を出して上がると、勝利点が2倍となる

□オプションルール
開始前に手札を最高3枚まで交換することができる。
自分の手札から1〜3枚までを裏向きで出し、親が全員の出した札をまとめて切った後、各自に出した枚数分のカードを裏向きで戻す。
このルールを採用した場合、必ず最低1枚は札を交換しなければならない。

□特殊例
配られた手札が、「A・2・3・4・5・6・7・8・9・10・J・Q・K」の場合は、「一條龍」という役で即勝利となり、各自の手札×3倍の点数が貰える。
また、配られた手札が、同じスートの「A・2・3・4・5・6・7・8・9・10・J・Q・K」であった場合は、「同花一條龍」という役で即勝利となり、各自の手札×4倍の点数が貰える。