タイの宝くじと民間信仰による必勝法

タイの街角を歩くと、至る所で宝くじが売られているのを目にします。
タイで「フワイ(หวย)」、「ロッタリー(ลอตเตอรี่)」と呼ばれる宝くじは、200年近くの歴史があり、国民的な賭博の一つとして非常に人気があります。

タイの宝くじには、公的に販売される合法な「フワイ・ボンディン(หวยบนดิน)」 と、「フワイ・タイディン(หวยใต้ดิน)」と呼ばれる非合法なものの2種類があります。
フワイボンディンのボンディンは、地上の意味で、タイディンは地下を意味します。
つまり、この言葉は、地上で大っぴらに出来る合法なものと、地下でコッソリとやり取りする非合法なものという意味で使われています。

正規の宝くじの値段は大体40〜100バーツ位ですが、定価は決まっていないようで、当りがよく出る売り場や人気の番号は、少し高値で売られることもあります。
一方、非合法のフワイタイディンは、公的な宝くじの当たり番号を使い、個人が胴元になり人を集めて行われます。
人を集めるといっても、信頼できる仲間うちで行われることが多く、庶民の娯楽として黙認されているのが現状です。
フワイタイディンは、値段の高い宝くじ券を買うよりも安く済むので、実は公的なものよりも盛んに行われているそうです。
日本に住むタイ人の間でも、現地の当選番号を使ったフワイタイディンが、盛んに行われていると聞いたことがあります。
宝くじの当選発表は、毎月の1日と16日にあり、この日はタイ国民の多くが結果に関心を寄せています。

タイ人の間では、民間信仰による様々な宝くじの必勝法があり、それらは「コー・フワイ(ขอ้หวย)」と呼ばれています。
コーフワイの中で、最も一般的なものは、色や姿形の変わった生き物や樹木から霊感を得るというものです。
例えば、どこかで巨大な生物や奇形の家畜などが発見されると、その生き物は神の使いと見なされ、何らかのメッセージを持って人間界に現れたと解釈されます。
そして、その特徴的な姿を見て浮かんだ数字がお告げとして解釈され、それが宝くじの当選番号に結びつけられるという訳です。

※引用元 http://www.tlcthai.com/lotto

もう一方の樹木から霊感を得る方法は、非常に盛んなコーフワイで、宝くじの当り番号を教えてくれる神木が各地に存在します。
タイでは「パー・サム・シー(ผ้าสามสี)」という三色の布が木に巻き付けられ、その下にお供え物が供えられている風景をよく見かけます。

パーサムシー(三色布)が巻き付けられている木には、「ナーン・マイ(นางไม้)」と呼ばれる美しい女性の精霊が棲んでいると信じられています。
この木に宿る精霊・ナーンマイが、人々に幸せを与える為に、宝くじの当選番号を教えてくれるのだそうです。

ナーンマイは、変わった形や樹齢が長い巨木の他、バナナやタキアンの古木に住み着いているといわれます。
「クルアイ・ターニー(กล้วยตานี)」というバナナの巨木に棲んでいるナーンマイは、「ナーン・ターニー(นางตานี)」、タキアンの巨木に棲んでいるナーンマイは、「ナーン・タキアン(นางตะเคียน)」や「ジャオメー・タキアン(เจ้าแม่ตะเคียน)」と呼ばれています。

また、タキアンで作られた船にも精霊が宿ると信じられており、船に棲むナーンマイは、「メーヤーナーム・ルア(แม่ย่าน้ำ เรือ)」や「メーヤースワン・ルアトーン(แม่ย่าสุรวรรณ เรือทอง)」と呼ばれ、こちらもコーフワイの対象となっています。

コーフワイの手順は、まず線香とお供え物でナーンマイに祈りを捧げることから始まります。
その際に、もし宝くじが当たったら、御礼で何をするかという約束をナーンマイにしなければなりません。
これは、「ボン(บน)・お礼参り」の際に必要なことで、願いが叶ったのにボンをしないと、大きな災いを招くと信じられています。
ナーンマイは女性なので、ボンには「パーサームシー(ผ้าสามสี)・三色布」や「プアンマライ(พวงมาลัย)・花数珠」、「チュッタイ(ชุดไทย)・民族衣装」、化粧品、装飾品を奉納するのがよいとされています。
コーフワイのやり方ですが、神木の表面に粉をまぶして指で擦り続け、後はそこに数字が浮き出てくるのを待つだけです。

よく当たる神木は評判を呼び、地元の寺院に奉納されて、多くの参拝者を集めています。
特に、最もお告げが現れるとされる満月の夜や宝くじの発表前日には、多くの人が御利益のある神木に群がりコーフワイをしています。

タイでは、木の中に美しい女性の精霊が棲んでおり、常に人々の幸せを願っていると信じられています。
タイを訪れた際に、パーサムシーが巻かれている木を見つけたら、そこにナーンマイが棲んでいる証拠ですので、祈りを捧げて木を擦ってみましょう。
もしかしたら、何かのお告げを得られるかもしれませんので。