葫蘆問(葫蘆運)

葫蘆問(葫蘆運)

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葫蘆問(閩南語 hôo-lôo  būn・ホーローブン /國語 hú lu wèn・フールーウェン)は、中華圏の伝統的な双六遊戯です。
名称は各地で異なり、葫蘆運や葫蘆笨、葫蘆悶、葫蘆迷、星君図、葫蘆棋、選仙図、升仙図 、捻捻轉、鳳凰棋、逍遥図 などと呼ばれています。
盤面には八仙や十二支、水滸伝の人物などの図柄が螺旋状に描かれており、一つ一つの絵が駒の進むマス目となっています。
ここで紹介している葫蘆問は、八仙が描かれた台湾彰化県鹿港のものですが、盤面の図柄やマス目の数は地域により異なっています。

■台湾彰化県鹿港の葫蘆問
台湾彰化県鹿港の葫蘆問の元は福建省泉州の博戲で、清代に泉州から移民した人々によって持ち込まれました。
現在でも鹿港では葫蘆問が新年の遊びとして親しまれています。
葫蘆問の葫蘆は瓢箪の意味で、問は神佛に運勢などを聞くという意味をもっています。
鹿港地区の葫蘆問は「南極仙翁葫蘆問」というもので、南極仙翁の図柄が到達地となっており、八仙や動植物、葫蘆(瓢箪)や古銭などの器物がマス目となっています。
具体的な図案は、八仙「漢鐘離(かん しょうり)、張果老(ちょう かろう)、韓湘子(かん しょうし)、李鐵枴(り てっかい)、呂洞賓(りょ どうひん)、何仙姑(か せんこ)、劉海蟾(りゅう かいせん)、曹國舅(そう こっきゅう)」、動物「玉兔、驢(ロバ)、雄雞、黃虎、鯉魚、仙鶴、花鹿、青龍、霊亀、白馬」、植物「牡丹、芭蕉の葉」、器物「葫蘆、古錢、銅鐘」の23種類で、それぞれの図柄が盤面にそれぞれ2つ(合計46)、最終到達地点の南極仙翁を入れて合計47個の図案があります。

■葫蘆問の遊び方
2〜5人位で遊びます。
それぞれ参加者は各自任意の駒を用意し、順番に骰子を2つ振ります。
骰子の出目に従って反時計回りに駒を移動させ、マス目である絵の上に自分の駒を一旦置きます。
例えば、2個の出目の合計数が6の場合は6マス目「黃虎」の上に、出目の合計数が8の場合は8マス目「鯉魚」の上に駒を置きます。
駒を置いた直後、先方方向のマス目に有る同じ図案の場所に、先程置いたばかりの駒を直ちに移動させます。
移動した図案の前方3マス以内に相手の駒が有れば、その距離に応じて得点が入ります。
得点は、相手の駒が3マス先にいた場合は1点、2マス先にいたら2点、1マス先にいたら3点を即座にその相手から貰えます。
移動させた先に相手の駒があった場合は、相手の駒を取り、自分の駒が移動する前に一旦置かれていた同じ図案の場所に、相手の駒を後退させます。
もし、駒が同じ図柄に続けて3回入った場合は、勝負が流れて終了となります。
例えば、A→B→C→D→Eの手順で、「Aが雄鶏マスに入り、先方の雄鶏マスに移動」→「Bが雄雞マスに入り、先方の雄鶏マスに移動し、Aの駒を前の雄雞マスに移動」→「Eが雄雞マスに入り、先方の雄鶏マスに移動し、Bの駒を前の雄雞に移動」となったら勝負が流れます。
最終地点の南極仙翁に駒を進めた人が勝ちとなりますが、出目の数ぴったりで駒が止まらないとゴールにはなりません。
もし、出目の数がゴール地点を越えた場合は、その出目数ぶんだけ逆方向に駒を移動させます。
南極仙翁に達した勝利者は、あらかじめ決められた勝利点を参加者から受け取ります。
※上記規則では、3マス差が得点対象となっていますが、5マスや7マスなど、地域により精算方法が異なる場合があります。

■葫蘆問の図柄とマス目

月兔(前方1・後方10)→驢(前方2・後方14)→葫蘆(前方3・後方12)→鐵枴李(前方4・後方15)→雞(前方5・後方20)→虎(前方6・後方18)→呂洞賓(前方7・後方23)→鯉(前方8・後方22)→漢鍾離(前方9・後方37)→張果老(前方11・後方34)→曹國舅(前方13・後方28)→鐘(前方16・後方42)→韓湘子(前方17・後方26)→何仙姑(前方19・後方30)→劉海蟾(前方21・後方32)→仙鶴(前方24・後方35)→銅錢(前方25・後方46)→葉子(前方27・後方36)→鹿(前方29・後方40)→青龍(前方31・後方45)→龜(前方33・後方41)→白馬(前方38・後方43)→牡丹(前方39・後方44)→南極仙翁(47)